心を整えてリスタート

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夏至を過ぎて昼間の時間が徐々に短くなり始めましたね。直営店舗以外の仕事を受けていたために、ここ二ヶ月ほどはずいぶんと働く時間が長くなっていました。家事はほったらかしだし、読書の時間も全くとれていませんでした。せっかく植物とともに暮らしているのに、つい生産性を求めて慌ててばかりいる生活で、自分の時計が見えなくなっていました。

植物の生活のように「求め過ぎない」生活を心がけていたはずなのに、経済活動とのバランスを取るのは本当に難しいことです。求めるように促す!のが経済活動だったりするわけですから、油と水を毎日混ぜ続けているようなものなのです。

それでも、温室の建つ土地に植えたアズキナシの樹やその周りに植えた山野草たちをみていると日本の山々を連想できますし、温室内の熱帯植物やサボテンたちを見て、行ったこともない世界各地の景色を想像しています。

スタッフから聞いて印象に残った話で、先日シラサギカヤツリを購入されたお客様が言われていた話です。「最近は歳をとって山へ行けなくなってしまったから、せめて住まいの中へ風にそよそよと揺れるシラサギカヤツリでも置いて楽しもうかと.......」、このお言葉は深いです。これぞ盆栽の核心部分。

盆栽は俳句や短歌のような連想ゲームと似ています。連想するには経験が必要です。経験するにはそのための意識が必要です。これからの季節、海や山へレジャーにでかける方も多いと思いますが、是非とも帰化植物に占領されていない日本の海辺や山の植物たちを観察してみてください。クネクネ曲がった枝や飾り方の様式がなぜあのようになったのかも少しずつ解けてきます。そして様式を越えたところで盆栽を楽しめるようになると、現代生活にしっくりとくる盆栽文化ができるのだと思います。

また多くの方が海外旅行へ行ける時代ですし、テレビやビジュアルブックなどビジュアル情報の多い時代ですから、行ったこともない砂漠やジャングルの映像だけでも想像力さえあれば同じような楽しみ方ができます。観葉植物やサボテンも植え込み方や飾り方次第で盆栽に早変わりです。

世知辛い現代社会ではありますが、植物と暮らすことで、まずは自分の心を整えることから始めませんか。

2009.6.26  Hitoshi Shirata

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