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『ピーターラビットの野帳』

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世界中で愛されているうさぎ、ピーターラビット。その生みの親ビアトリクス・ポターは、日本ではあまり知られていないのではないでしょうか?

裕福な家に生まれ、他の子ども達と関わることなく家庭教師とメイドに育てられた彼女の唯一の友達は、飼っていた小動物達でした。何時間も飽くことなく観察し、いつもスケッチをしていたといいます。また環境問題にもいち早く感心を持ち、植物への造詣も深く、地衣類が菌類と藻類の共生関係から成り立っていることをはじめて発見するも、ヴィクトリア朝期という時代は、女性が発言することを許しませんでした。

本書では、それでも飽くことなく描き続けられた彼女の多くの博物画を目にすることができます。そしてそれが、ピーターラビットとその仲間達の物語へと紡がれていったのでした。

絵を描くことでものごとを理解し、学ぶ、その深みのある思索が、ピーターラビットの物語の背景にあり、それはピーターが長く愛される秘密のひとつなのかもしれませんね。

著者:ビアトリクス・ポター

出版社:福音館書店

2008.12.10  Yoshitaka Haba : BACH

幅 允孝(はばよしたか)

幅 允孝(はばよしたか)

BACH(バッハ)代表。ブックディレクター。国立新美術館ミュージアムショップのスーベニアフロムトーキョーやLOVELESS、CIBONEなどにおける本のディレクションのほか、編集、執筆など、本周りのあらゆる分野で活動中。今年に入ってから、SHIBUYA PUBLISHING BOOKSELLERS、大阪の阪急百貨店メンズ館のThe Lobby、銀座のHANDS BOOKSがオープンしました。

URL: www.bach-inc.com

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